塩田 将大 Aiki Peace Seeker -合気道家-

★塩田剛三の孫が伝える【心】を豊かにする合気道★

塩田剛三に学ぶ武道の基礎(心持について)【すべては宮本武蔵が知っていた】

「宮本武蔵」の画像検索結果

 

宮本武蔵は著書「五輪書」で、

基礎の大切さを説いている。

 

その基礎の大切さを

「心持」・・・心の持ち方

「兵法の身なり」・・姿勢

「目付」・・・目線

の観点から詳しく論じている。

 

技のやり方の説明が多い書物が多い中、

宮本武蔵は技ではなく基礎に重点を置いて論じている。

 

 

今回のブログでは「心持」に関して、

合気道と関連させて、

述べていきたいと思う。

 

宮本武蔵五輪書で「心持」に関してこう述べている。

 

「兵法の道におゐて、心の持やうは、常の心に替る事なかれ。常にも兵法の時にも、少しもかはらずして、心を広く、直にして、きつくひつぱらず、少しもたるまず、心のかたよらぬやうに、心をまん中におきて、心を静にゆるがせて、其ゆるぎのせつなもゆるぎやまぬやうに、能々吟味すべし。」

 

( 兵法の道において、心の持ち方は、日常の心と変わらないようにせよ。日常でも、兵法の時でも、少しも変わらず、心を広く素直にして、

きつく緊張することなく、少しもたるむことなく、心が偏らないように、心を真ん中に置いて、心を静かに揺るがせて、揺るぎの刹那も揺るぎやまないように、よくよく吟味すべきである。)

宮本武蔵著、魚住孝至編『五輪書:ビギナーズ日本の思想』(角川ソフィア文庫)より

 

 

武道では相手がいることが前提。

相手がいると、視線が気になったり、相手が体を動かす方向に

自分の目線も変わってしまう。

 

心は常に自分の中心に置くことが重要だ。

相手がどう動いても、いつでも自分が動き出せるように、

静かに心を揺るがせておくことだ。

 

 相手がどのように攻めてこようが、

柔軟に対応して、それに対応して動ける心の状態に

しておくことが「心持」の基本。

 

塩田剛三先生の合気道は、構えがある。

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構え

 

構えはあるが、

あるようでないようなものにしなくてはならない。

 

手を中丹田、下丹田に置き、

自分の中心を意識し、

心を落ち着ける役目がある。

 

そのため、身構えるという意味の構えではない。

 

中心を意識し、

心を静め、相手のどのような動きにも対応する。

 

宮本武蔵の「心構」を忠実に表現した構えを

塩田剛三先生は作り上げていたのだ。

 

次回のブログは「兵法のみなり」、合気道の姿勢について!

 

 

 

 

 

塩田剛三がモデル・漫画「グラップラー刃牙」のキャラクター【渋川剛気】誕生秘話と【実践と和合】について

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渋川剛気/漫画「グラップラー刃牙」より引用

 

漫画「グラップラー刃牙」の作者、板垣恵介さんはよく道場にいらし、

塩田剛三先生の動きを観察していた。

塩田剛三著「合気道人生」の挿絵は、板垣さんが担当した。

そのため、板垣さんは塩田剛三について非常に詳しい方である。

 

板垣さんは、塩田剛三

『才気のカタマリ』

『爆笑した顔に狂気を感じた』

『体中が地雷原のような人』と評している。

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引用:「グラップラー刃牙」、この画像まさに、上記を表現した顔ですね。。。(笑)

 

塩田剛三先生がなくなった後も、

高田馬場の道場設立時にもお越しになっていただいて、

刃牙の漫画にサインをいただいた。

 

私も、渋川剛気が出ているシーンを読んだが、

とても合気道をしたことがない人が書いたとは思えないほど、

忠実に再現されている。

 

板垣先生は、なぜ、塩田剛三先生を漫画に登場させたかについて

インタビューに答えている。

 

合気道と中国拳法にはすごく胡散臭さを感じていてさ(笑)。

ただ、俺は塩田剛三先生にお会いする機会があったんだ。

そのときの塩田先生の周りにいる人たちの緊張感がすごくて。

 

たとえば先生がタバコを吸おうとポケットに手を伸ばそうと

体重が動いた瞬間に3人くらいライターを手に立ち上がるみたいな。

もう究極の忖度だよ(笑)。

 

それくらい塩田先生っていうのは絶対的な存在なんだ。

 

先生が道場で練習中に間違ったって言って、

弟子を殺すこともできちゃうんだよ。

 

もしそうなったら弟子は何もできないんだから、

実力に差がありすぎて。

 

そんな塩田先生の真の実力を測定するというか、

確かめられる、

そんな場に立たせたい見てみたいと思ったのが

渋川剛気誕生のきっかけだよ。

 

 

 

 

塩田剛三先生は、実践で合気道を用いて、他を圧倒する力の持ち主だ。

先日のブログにも書いたが、塩田剛三が75歳になっても、

22歳の総合格闘家を圧倒している。

 

漫画での塩田剛三「渋川剛気」は

実践で合気道を披露しているが、

塩田剛三先生は、晩年、

「もう合気道が実戦で使われる必要はない。

私が最後で良い。

これからは和合の道として世の中の役に立てば良い。」

という言葉を残している。

 

当時、塩田剛三先生に憧れて、

道場に住み込みで稽古に明け暮れていた内弟子は、

この言葉を聞いてどう思ったのだろうか。

和合の道として、稽古スタイルが変わったことに違和感を感じ、

道場を去った者もいた。

 

塩田剛三先生はなぜ、

「実践で使われる必要はない」と述べたのだろうか。

 

私は、世の中が平和になったからという理由ではないと思う。

 

塩田剛三先生にあこがれて入って稽古する人は、

実践を目指す人が多かった。

 

肉体的に強くなることを第1に求め、

「和」を意識している人はあまりいない。

 

しかし、合気道の神髄は、

相手と和すことにある。

 

そこに気づいてもらうために、

「実践ではなく、和合の道」

という言葉を残したのだ。

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塩田剛三

 

植芝盛平の名言 その1【名言から合気道を考える】

 

無駄に見過ごさないよう、しなければいけない。

山川草木、ひとつとして師とならないものはない。

 

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植芝盛平

 

 

合気道の動きは自然の理に適った動き。

 

相手がなぜ崩れるのかを考える時、

自然を見つめていると答えが見つかるかもしれない。

 

今までは、手首をこのようにして曲げ、

肩をつまらせたら極まるとか、

身体の構造で考えていたが、それは答えではない。

 

何もしないこと。何も逆らわないことが、

正解だったりする。

 

何もせず、逆らわず、極めた技は、

相手に嫌悪感を抱かせず、

喜んで倒れてくれる。

 

この不思議な世界が合気道の楽しさだ。

 

人だけでなく、すべての自然に対して敬意の意を持ち、見つめる。

 

水が地面に落ちる音。

風が木を揺らす光景。

雨に濡れた倒木の匂い。

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自然を感じること

 

電車がレールを走る音のような人工的なものではなく、

自然と自然が触れ合って、

起こる音や匂い、光景に

合気道の答えがあると思う。 

 

自然を見て感じて悟ったことは、

今の段階で全て正しいことである。

 

それが、合気道でどう活かされるのか、

繋ぎ合わせて行くと必ず、

技が磨かれていく。

合気道が上達するためには徳を積むことが大事【植芝盛平・塩田剛三の言葉から考える】

 

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塩田剛三

 

合気道は和の武道と言われますが、

その解釈は簡単だと思うんですよ。

人と相対したときに、

相手の敵愾心をなくすような自分の人柄と実力を持っていると、

これがひとつの和になるんです。

 

決して妥協じゃない。

和というのは、ちゃんとひとつ自分に強いものがあって、

そして相手を味方にする。

協力者にしてしまう。

これが“対すれば相和す”です。

それには、よっぽど徳を積まんと出来ない。

結局ね、根本は自分の中心力なんです。」

 

 

合気道は、技だけ練習しても上手くならない。

日常で、徳や人格を作らないと。

 

 

塩田剛三先生は、交友の広い方だった。

天皇陛下

アレキサンドラ王女

ロバート・ケネディ

マイク・タイソン

杉良太郎…など

多くの著名人と会い、

交流を含めている。

 

記者の的外れな質問に対しても、ニコニコ笑顔で答え、

 

天皇陛下(当時は皇太子)とも冗談を言いあい、

 

背中を流す内弟子には、お風呂に潜って、隠れて脅かしたりしている。

 

塩田剛三先生は話している相手を幸せにする能力があった。

また、著名人の方と会える人望の厚さもあった。

 

それも徳があるからこそ、出来ることだ。

 

徳とは「善い行い」のこと。

 

日常から、善い行いを続けること。

 

最初は意識的に、徳を磨く。

 

剛三先生が言う「よっぽど徳を磨く」とは

善い行いをしようとは思ってはいなくても、

無意識に行う行為が、

自然と相手のためになっていること。

 

日常から出来るこの徳が、

合気道の上達には必要不可欠だ。

 

徳は身近なところに転がっている。

 

例えば、行動でいうと

・掃除

・トイレをきれいに使う

・常に笑顔で過ごす

・席を譲る

・困っている人を助ける

・寄付をする

・物を大切に使う

・誰でも平等に接する

・落とし物を届ける

・自分以外の幸せを願う

・カフェで使ったテーブルを綺麗にして帰る

 

言葉では

・感謝の気持ちを伝える

・目の前の人に敬意を示す

・悪口を言わない

・相手を褒める

 

など、

人のためを考えたものは、

率先してすべきである。

 

植芝盛平先生・塩田剛三先生が、

誰とでも和すことができるのは、

超越した「徳」があるからである。

 

 

塩田剛三の座右の銘【行住坐臥 一切の時勢 これ最善の道場】

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塩田剛三



「祖元禅師の言葉に『行住坐臥一切の時勢これ最善の道場』というのがあります。


この言葉を私は座右の銘として拳々服膺し、

常に忘れぬよう心掛けているつもりです。

少なくとも合気道に志を立てる者は、そうあってもらいたいと思います。
ただ歩いているときでも、電車に揺られているときでも、

食事をしているときでも、

どんな場合でも、そこがすべて合気道の道場だと思い、

一挙手一投足、みな稽古の一つと考えてほしいものです。」

塩田剛三著「合気道人生」竹内書店新社より)

 

 

塩田剛三先生は、

「行住坐臥 一切の時勢 これ最善の道場」を座右の銘にしていた。

 

【行住坐臥】とは、「行」は歩くこと。

「住」はとどまること。

「坐」は座ること。

「臥」は寝ること。

つまり、日常の立ち居振る舞いのこと。

 

【一切の時勢】とは、今行っているすべての事柄。

 

【道場】とは、

畳の敷いている道場のことではなく、

道を学ぶ場所すべてのことを指す。

 

つまり、ここで言いたいことは、

今やっている全ての事柄が、道を究める修行そのもの。

修行だと思って日々の物事に懸命に取り組みなさい。

ということである。

 

今道場にきている人は、仕事をしている人が多い。

そのため、週に1回もしくは2回しか道場に来ない。

 

合気道は奥が深いので、

週に1回の稽古でも、

気づくことや、分からないことがたくさんあるはずだ。

 

それを解決するために、日常でも合気道について考えてほしい。

【体力がなかったな。そうだ。これからは、エスカレーターでなく、階段にしよう。】

【どのように重心を掛けたら軸が揺れないのか。電車の揺れで考えてみよう。】

【今日は新規のお客様と商談。合気道と同じように、相手を考えた営業をしよう】

いくらでもある。

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子どもを思いやることと、合気道の相手を思いやることは一緒

 

 

その時出た答えは、全部正解である。

 

合気道を日常でも意識している人は、やはり長く続くし、

週1回だとしても、上手になる。

 

道場では、3か月に1回、審査稽古があり、

1か月間、審査に向けた練習を各自が行う。

 

当たり前だが、皆審査に合格したいので、一生懸命練習する。

その際は、練習に来る日数も増えたり、

日常でもYouTubeを見て勉強したりする。

 

この1か月の審査稽古の期間は、

みんな1時間の稽古中、ずっと集中し、

ひたすら合気道を夢中で行うのだ。

 

その時の道場は、全体が活気にあふれていて、

教えているこちらもすごく楽しい。

これが最善の道場か!と思ったりする。

 

審査のためとはいえ、

合気道について、普段から考えていると、

こんなにも良い道場になる。

 

これが、審査の時だけでなく、

普段から道を究めることを

考えていただくように導くのが

指導者としての責任である。

 

私たちが見ている塩田剛三は、アキレス腱を切った後の映像!威力がさらに増した!

 

ググってみても、

あまり知っている人はいないみたいだ。

 

内弟子塩田剛三先生は、

アキレス腱を切ってから、動きが少し鈍くなった。

だけど、技の威力がましたから、

受けを取るのが怖かった。」

 

申し訳ない。

いつ、アキレス腱を切ったのかは、

分からないが、私たちが見ている

60歳以降の塩田剛三先生はアキレス腱を切った後だ。

 

塩田剛三先生が47歳の時は、

恐らくアキレス腱を切っていないが、

それ以外のYOUTUBEに乗っている動画は、

アキレス腱を切った後の映像だ。

 

アキレス腱を切る前の映像だと思われるものを、

下記に貼っておく。

 


塩田剛三47歳

 

 

 

 

 

 

合気道って触れないで倒すことが出来るんですか?

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塩田剛三

 

塩田剛三内弟子「先生、合気道は触れないで倒すこともできるんですか?」

 

塩田剛三「バカモンっ!出来るわけないだろ!笑」

 

道場での会話。

 

塩田剛三先生の内弟子の中で、

触れないで倒されたと体験談を述べる人もいる。

 

しかし、塩田剛三先生は、

触れないで倒すことは出来ないという。

 

私は今まで、気で倒されたことはないが、

実際にはあるんだろうなと思っている。

 

お互いに気の方向があったときに、

効果を発するが、殺しに来た相手に気を合わせるのは

気の達人でも、難しいのではないかな?

 

塩田剛三先生は、

実践の厳しさを知っているからこそ、

現実的な思想の持ち主だった。