塩田 将大 Aiki Peace Seeker -合気道家-

★塩田剛三の孫が伝える【心】を豊かにする合気道★

年齢を重ねるたびに強くなるものとは?合気道家が死ぬ前が一番強い理由とは?

f:id:Aikiboy:20200305161904j:plain

合気道は老若男女だれでも出来ます!!!


合気道はなぜ、老若男女だれでも出来るのでしょうか。

 

合気道の達人・植芝盛平と塩田剛三は、

合気道は誰でも出来る!と言っていますが、

私がその意味が分かってきたのも

5年くらい前のことです。

 

実際、私の習ってきた道場では、

女性は少なかったし、

ご高齢の方も少なかった。

 

60過ぎている方もいるが、

長年別の武道やスポーツをしてきていて、

もともと身体が強い人しかいませんでした。

 

力で制することが多く、

とても女性が出来るものではない

と感じていました。

 

そんな私も、合気道で痛めつけられないために、

筋力トレーニングで体を鍛えていました。

合気道の訓練生(専修生)の時は、

自主トレだけでも

腕立て、腹筋、背筋を毎日500回行っていました。

 

専修生についてはこちら!

 

なぜ、植芝盛平と塩田剛三が言っている

「誰でも合気道が出来る」ということを

考えてこれなかったのでしょうか。

 

私の場合、筋肉が付きずらい体質なのと、

背が低い(167cm)ので、

力で勝つということに、

早い段階であきらめることが出来ました。

 

だって、あんなに筋トレしていたのに、

当時のバイト先のフィットネスクラブの

体組成計測器で計ったら、

筋肉量が平均だったんです。

 

ショックでした。

 

だから、植芝盛平、塩田剛三が言っている

誰でも出来る合気道って何なんだろうと、

常に考えていました。

 

今、ようやくその意味が分かりました。

だから合気道は誰でも出来るのね!と。

 

私の道場は、今女性が多いです。

40・50代から始められる方も多く、

ゆっくり合気道が出来るコースも設けています。

60代の方もたくさんいらっしゃいます。

 

もちろん、本格的に合気道を身に付けたい方のために、

厳しいコースもありますが、

みなさん、合気道はなんで年をとっても、非力でも

できるのか理解しています。

 

力で合気道を制すものだと、

心では思っていなくても、

実際の技がそうなのであれば、

見直すべきです。

 

力で相手を制して楽しいですか?

そういう人は合気道をするべきではないと思います。

 

合気道は、

年を重ねるごとに衰えてしまう体力や力を

重要視するのではなく、

呼吸力、集中力を養っていくから、

誰でも出来るのです。

 

下記、塩田剛三が合気道の

年をとっても強くなる力

「呼吸力・集中力」について、

述べた文章です。

 

 

呼吸力と集中力

 

人間も動物も自然に呼吸をし、

外界から酸素を体内に取り入れ、

炭酸ガスを排出して

生命を維持していることは

言うまでもないのですが、

合気道では、この吸う息、

吐く息とともに止める息を含めた

三段階のリズムが力の集中に大きく関係し、

また動きに伴う疲労度にも影響を及ぼす

重要なポイントになっています。

 

「息を大きく吸うか、小さく吸うか、

また大きく吐くか、小さく吐くか、

その間に息を瞬間止めるか、

やや長く止めるか、

動作によって異なってきます。

ある一つの技をかける場合を

考えてみますと、

技をかける前に息を吸い、

技をかける時は息を止め、

かけ終って息を吐くというのが

典型的パターンでしょう。

 

息を吸いながら、あるいは息を吐きながら、

技をかける、つまり、力を一点に集中しようとすれば、

当然息を吸うあるいは吐く動作と力を一点に

集中する動作が併行的に行われるから、

集中力が弱くなってしまいます。

ですから、真に力を一点に集中しようとすれば、

息を止めて、それだけの動作にしぼるわけです。

しかし、息を止める時間が長いと、

その間体内の酸素の欠乏度が高まり、

それだけ多く酸素を補給せよと体が要求し、

すぐ肩で息をせざるをえなくなります。

これが疲労に通じるわけです。

 

合気道でいう集中力は、

力を一点に集中すること。

 

これが、非常に難しい。

一点に集中するには、

ぶれない軸を作らなくてはいけないし、

身体全体の無駄な力みをなくさないといけない。

 

下記の動画の1:15当たり、

足の親指だけに集中力を出すのは、

塩田剛三しかできないでしょう。

 

塩田剛三「指一本、足一本が全部あれになります。

これでギュッとこう押さえます。

こうやって、この足がですね・・・

これは、笑っているけど本当は集中力なんです」

 

足の指一本で相手を動けなくする集中力が、

凄まじいです(笑)

 

 


塩田剛三/合気道養神館

 

 

 

 

息を止める時間が短ければ短いほどいいので、

合気道の技は一瞬にして決める、

というのも、そこにあるわけです。

集中力が最高になるのも

一瞬で、だらだら長く最高の集中力を

維持することは不可能です。

音楽のリズムは音の強弱が

周期的に繰り返されて、

その律動が、聞く人にも、演奏する人にも

快感を与える要素となるのですが、

合気道の場合も理屈は同じで、

千変万化の動きの中で、吸う息、

止める息、吐く息の三つのリズムの要素が、

それぞれの技によって、またその動き方、

スピードによって、強弱、長短が入り交じり、

複雑なリズムを構成します。

しかし、技の一つ一つ、あるいは技の連続の中で

呼吸の律動が無駄なく配分されたとき、

つまり、自分の体がリズムに乗ったとき、

最も楽に体が動き、

最高の集中力が発揮され、技の効果も大きくなります。

ただし集中力の効果を大にするには、

先に述べた安定した体の重心も

深く関係することは申すまでもありません。

 

体の重心についてはこちら!

 

この呼吸力、集中力を習得することは、

口で言うほど容易ではありません。

絶えざる稽古と研究の中で、

自分の吸う息、吐く息、止める息の強弱、

長短と、すみやかな重心の移動とがバランスがとれ、

自分の体がリズムに乗るかを体得することです。

その時こそ、体が軽く、楽に動き、

しかも技の効果が大きく、

疲労度も少ないことがわかり、

合気道の素晴らしさを自覚し、

一層修行の楽しさが増すことでしょう。

 

塩田剛三著「合気道人生」

 

このように、呼吸の仕方と、

力を一点に集中する力は、

力で行うものではありません。

 

塩田剛三は、合気道を続ければ続けるほど、

集中力・呼吸力は身につくものであり、

年齢とともに衰えるものではありません。

 

そのため、植芝盛平も塩田剛三も

自分は死ぬ時が一番強い時だと

言っています。

 

f:id:Aikiboy:20200305182424j:plain

合気道家は死ぬ時が一番強い!!!