基礎の大切さを説いている。
その基礎の大切さを
「心持」・・・心の持ち方
「兵法の身なり」・・姿勢
「目付」・・・目線
の観点から詳しく論じている。
技のやり方の説明が多い書物が多い中、
宮本武蔵は技ではなく基礎に重点を置いて論じている。
今回のブログでは「心持」に関して、
合気道と関連させて、
述べていきたいと思う。
「兵法の道におゐて、心の持やうは、常の心に替る事なかれ。常にも兵法の時にも、少しもかはらずして、心を広く、直にして、きつくひつぱらず、少しもたるまず、心のかたよらぬやうに、心をまん中におきて、心を静にゆるがせて、其ゆるぎのせつなもゆるぎやまぬやうに、能々吟味すべし。」
( 兵法の道において、心の持ち方は、日常の心と変わらないようにせよ。日常でも、兵法の時でも、少しも変わらず、心を広く素直にして、
きつく緊張することなく、少しもたるむことなく、心が偏らないように、心を真ん中に置いて、心を静かに揺るがせて、揺るぎの刹那も揺るぎやまないように、よくよく吟味すべきである。)
武道では相手がいることが前提。
相手がいると、視線が気になったり、相手が体を動かす方向に
自分の目線も変わってしまう。
心は常に自分の中心に置くことが重要だ。
相手がどう動いても、いつでも自分が動き出せるように、
静かに心を揺るがせておくことだ。
相手がどのように攻めてこようが、
柔軟に対応して、それに対応して動ける心の状態に
しておくことが「心持」の基本。
構えはあるが、
あるようでないようなものにしなくてはならない。
自分の中心を意識し、
心を落ち着ける役目がある。
そのため、身構えるという意味の構えではない。
中心を意識し、
心を静め、相手のどのような動きにも対応する。
宮本武蔵の「心構」を忠実に表現した構えを
塩田剛三先生は作り上げていたのだ。
次回のブログは「兵法のみなり」、合気道の姿勢について!