塩田 将大 Aiki Peace Seeker -合気道家-

★塩田剛三の孫が伝える【心】を豊かにする合気道★

合気道の基本/塩田剛三の言う「対すれば相和す」とは?合気道家が心に留めておく極意とは?

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合気道の神様・塩田剛三

合気道は基本がすべてだ!

と、合気道の達人・塩田剛三は言います。

 

それでは塩田剛三先生の言う、

合気道の基本とはどういうことでしょうか。

 

合気道をこれから始める人も、

合気道を長くしている人も、

技を覚えたりするだけでなく、

いつでも基本に立ち返らなくてはいけません。

 

塩田剛三先生が述べる合気道の基本は7つあります。

 

1、素直な心

2、動中に静を持す

3、対すれば相和す

4、体の重心

5、タイミング

6、呼吸力と集中力

7、円運動

 

この7つの基本を完全に身に着け、

これらが瞬時にして、

無意識のうちに技に出れば、

相当の達人になることができます。

 

今回は3つ目の「対すれば相和す」について。

有名な言葉ですね!

 

相手がたとえ、

身体が大きくても、小さくても

性別が違っても

年齢が違っても

性格が全く違う人でも。

究極を言えば、自分を殺しに来た相手でも、

向かい合ってしまえば、

仲良くなれる。

ということです。

 

合気道では、相手を倒すという考えではなく、

相手と仲良くなるという考えのもと、

稽古を行っています。

 

相手の性格も知らない人と仲良くなるって、

相当難しいことですよね?

 

自分のプライドとか捨てなくてはいけないし、

知らない相手も思いやらないといけないし、

 

ただ思っているだけではなく、

技に反映されるまで、

潜在的に思えるようになることが、

重要です。

 

以下、塩田剛三の著書「合気道人生」より、

合気道の基本「対すれば相和す」について、

述べた文章です。

 

 

対すれば相和す。

これは伝説上の人物、鬼一法眼の言葉とされて

いますが、合気道は相手と気を合わせる武道です。

 

※鬼一法眼は武道の神様とも言われていて、

彼が後の剣術や現在の剣道を創ったとも言われています。

牛若丸(小さい頃の源義経)に剣術を教えた天狗ではないかとも

言われる伝説の人物です。

 

 

つまり、力の揉み合いをしない、

押されれば押し返さない。

引っぱられたら、引っぱり返さないで

相手と相和す。

これも合気道の大切な基本の一つです。

ここにも先に述べた素直な心がなければ

相和すことが出来ないのはもちろんです。

 

前回書いた、合気道の基本「素直な心」ついてのブログはこちら

https://www.shioda-aikido.tokyo/entry/%E5%A1%A9%E7%94%B0%E5%89%9B%E4%B8%89/%E5%9F%BA%E6%9C%AC

 

和は妥協ではなく適合なのです。

相和すことによって、相手と一体となって一つの流れになり、

両者の力が衝突し合わないから、

無理な力を要せずして技がほどこせるのです。

非力な女性でも、少年でも、

高齢者でも合気道をつづけられるのは

このためで、合気道はそもそも自分の方から

人に攻撃をかける武道ではなく、

護身術であるから、

相手の出方に応じて相和すことができるのです。

常に相手の力の流れが先にあるからこそ、

その動きを自分の体の動きに合うように誘導して、

技がかけられるわけです。

 

相手の手は相手という考えではなく、

相手の手も自分の手と考えると、

ばらばらになりません。

 ※座り技両手持ち呼吸法(一)

 

 

このように相手と自分が一つの流れになるから、

熟練者の演武を見ていると、

その合わせるタイミングが実に見事であるため、

合気道を知らない方の中には、

八百長ではないかと疑う人があるほどです。

 

しかし、ご自分が合気道を始めてしばらくすると、

その見方の誤りにすぐ気づくはずです。

 

「合気道の演武の際、仕手はもちろん受け手も、

熟練者であればあるほど、

また両者とも心・技・体のバランスがとれ、

呼吸が合えば合うほど、

芸術的な調和の美が醸し出されるものです。

その美は踊りや体操の優雅な美とは異なり、

秋霜の美とでも言うべきでしょうか。

私は、合気道の基本の一つであるこの、

対すれば相和すを、すべての人が生活の基本にすれば、

世の中の争い、相克はなくなると思うのです。

和の武道である合気道を通じて、

人の和、民族の和、ひいては

世界平和に寄与したいという私の夢は、

ここから発していることをご理解頂ければ幸いです。

 

 

皆が、合気道の極意を学び、

相手と和そうと努めれば、

相手と争いを生まないし、

世界平和につながってくると思います。

 

強くなると思って稽古するのと、

相手と仲良くなるって思って稽古をするのと、

全然技が代わってきます。

 

私は警視庁とも訓練していましたし、

強者が集まる養神館の本部で稽古をしていたので、

最初の3年は「強くなる」という稽古しかして来ませんでした。

 

しかし、周りも強くなるし、

力と力でぶつかり合って、

結局技が極まらなくなってきます。

 

上の動画は、手首が強くなった黒帯に対して、

どのように技を行うか説明したものです。

二か条という技で説明していますが、

合気道の技はすべて共通して、

相手を痛めず、和すことが大事です。

 

私が指導で伝えるのは、

「相手の皮膚の細胞を痛めない」

「逆間接を極める技はない」

と伝えています。

 

養神館で習っていた方は、これを言うと、

肘当て呼吸投げや、肘締はどうなんだと

言うかもしれない。

でも、すべて合気道は同じです。

肘関節を痛める技があったら、

老若男女出来ないし、

植芝盛平と塩田剛三が言う言葉と反します。

 

合気道が上達していく上で、

「この技はこうやるんではないか」と、

自分で悟ることがあると思います。

 

ただ、その悟ったことが、

植芝盛平と塩田剛三が言っていることと、

反しているのでは、

考え直した方が良いかもしれませんね。


達人の合気 塩田剛三の奥義を解明 Shioda Gozo [Master of Aiki]

 

 

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