塩田 将大 Aiki Peace Seeker -合気道家-

★塩田剛三の孫が伝える【心】を豊かにする合気道★

実体験から感じた合気道の上達の秘訣とは?簡単なようで難しい、合気道上達で1番重要なこととは?

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思いやり


以前のブログで、

日常で徳(良い行い)を増やすことが、

合気道上達に不可欠だと伝えた。

 

和というのは、ちゃんとひとつ自分に強いものがあって、

そして相手を味方にする。協力者にしてしまう。

これが“対すれば相和す”です。

それには、よっぽど徳を積まんと出来ない。

塩田剛三

 

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塩田剛三

 

祖父・塩田剛三が創った合気道養神館では、

柔道・剣道で有段のもので、

なおかつ合気道の指導者を志すものが、

警視庁から派遣されてきて、

勤務時間ずっと合気道の訓練をするというコースがある。

合気道専修生というコースだ。

ここには警視庁だけでなく、

海外や国内から合気道の指導者を目指すものも集まってくる。

 

どんな稽古をするか具体的に言うと、

・1時間半、正面打ち一か条抑え(二)だけをしたり、

・受身を500回連続でしたり、

・構えをして、1時間じっとしていたり

 

稽古内容は厳しかった。

もちろん、肉体的には強くなったし、

手首関節も強くなった。

 

でも、何が1番自分を強くしたかって聞かれたら、

私はこう答えている。

 

・鏡を磨くこと。

・トイレ掃除をすること。

 

厳しい稽古だけしていても、

上手くはならない。

 

専修生コースは、

毎朝、稽古前の掃除から始まる。

1人1人に掃除の担当が、

割り当てられ、

私は男子トイレとトイレの鏡担当だった。

 

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鏡は、曇り一点も残さず、

新聞紙で磨き続けた。

トイレも全面あらゆる角度から見て、

汚れを残さぬように磨き続けた。

 

汚れを落とすことに一生懸命で、

習慣化されているので、

3ヶ月ほど経てば、磨くという行為を、

「無」の状態で行うことが出来る。

 

どういうことかと言うと、

身体が疲れてるとか、暑いな、とか

そういうことも、考えなくなるほど、

磨くことに夢中になれるということだ。

 

鏡を磨き続けると、

心に余裕が持てるようになる。

 

専修生の稽古は厳しい。

自分が生き残るのに必死になって、自分のことばかり心配していたが、

ある時から仲間の心配の方を先にする様になっていた。

 

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専修生の稽古イメージ

 

500回の受け身の後、余った時間40分?くらいを

正座して黙想で過ごす稽古をした。

正座している時、専修生の1人のマイクが

過呼吸気味になり、

倒れそうになっている。

 

黙想中で、目を閉じているが、

だんだんと呼吸が荒くなっているのが分かり、

心の底から心配した。

 

専修生は毎日限界を越えて訓練をしている中、

どうしても、自分のことが先決になってしまう。

相手のことを本気で心配することが出来たのは、

心に余裕が出来たからだ。

 

その余裕を作ったのは、厳しい訓練ではなく、

鏡を磨いたからだ。

 

また、相手を本気で思いやることが出来た時だけ、

手首が強くなっている専修生同士でも、技が極まってくる。

そこで、合気道は思いやることが1番大事なのだと悟った。

 

鏡を磨くことは、1つの例だが、

他人の為に、良い行いをし続け、

徳を積むことが

合気道の上達には不可欠だ。

 

日常から、相手の為に動くことが大事だ。

 

追記:

これは、昨日のこと。

 

松屋での話。

手っ取り早く食べれる牛丼チェーン・松屋に行った。

 

牛丼の大盛りを頼んだ。

 

半分くらい食べたところで、

おばあちゃんが、食券を買うのに戸惑っているのに気付く。

 

席を立ち、おばあちゃんが食べたいものを聞いて、

次来るときに困らないように、

食券を買って上げるだけでなく、

食券の買い方も教えた。

 

席に戻ると、食べていたはずの牛丼がない。

店員さんが間違えて片付けてしまったみたいだ。

 

まだ半分以上あったのに笑

 

ここでは情けは、自分に戻って来なかったが、

いずれ戻ってくると思い、

合気道家として、良い行いをし続けようと思っている笑