塩田 将大 Aiki Peace Seeker -合気道家-

★塩田剛三の孫が伝える【心】を豊かにする合気道★

塩田剛三がモデル・漫画「グラップラー刃牙」のキャラクター【渋川剛気】誕生秘話と【実践と和合】について

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渋川剛気/漫画「グラップラー刃牙」より引用

 

漫画「グラップラー刃牙」の作者、板垣恵介さんはよく道場にいらし、

塩田剛三先生の動きを観察していた。

塩田剛三著「合気道人生」の挿絵は、板垣さんが担当した。

そのため、板垣さんは塩田剛三について非常に詳しい方である。

 

板垣さんは、塩田剛三

『才気のカタマリ』

『爆笑した顔に狂気を感じた』

『体中が地雷原のような人』と評している。

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引用:「グラップラー刃牙」、この画像まさに、上記を表現した顔ですね。。。(笑)

 

塩田剛三先生がなくなった後も、

高田馬場の道場設立時にもお越しになっていただいて、

刃牙の漫画にサインをいただいた。

 

私も、渋川剛気が出ているシーンを読んだが、

とても合気道をしたことがない人が書いたとは思えないほど、

忠実に再現されている。

 

板垣先生は、なぜ、塩田剛三先生を漫画に登場させたかについて

インタビューに答えている。

 

合気道と中国拳法にはすごく胡散臭さを感じていてさ(笑)。

ただ、俺は塩田剛三先生にお会いする機会があったんだ。

そのときの塩田先生の周りにいる人たちの緊張感がすごくて。

 

たとえば先生がタバコを吸おうとポケットに手を伸ばそうと

体重が動いた瞬間に3人くらいライターを手に立ち上がるみたいな。

もう究極の忖度だよ(笑)。

 

それくらい塩田先生っていうのは絶対的な存在なんだ。

 

先生が道場で練習中に間違ったって言って、

弟子を殺すこともできちゃうんだよ。

 

もしそうなったら弟子は何もできないんだから、

実力に差がありすぎて。

 

そんな塩田先生の真の実力を測定するというか、

確かめられる、

そんな場に立たせたい見てみたいと思ったのが

渋川剛気誕生のきっかけだよ。

 

 

 

 

塩田剛三先生は、実践で合気道を用いて、他を圧倒する力の持ち主だ。

先日のブログにも書いたが、塩田剛三が75歳になっても、

22歳の総合格闘家を圧倒している。

 

漫画での塩田剛三「渋川剛気」は

実践で合気道を披露しているが、

塩田剛三先生は、晩年、

「もう合気道が実戦で使われる必要はない。

私が最後で良い。

これからは和合の道として世の中の役に立てば良い。」

という言葉を残している。

 

当時、塩田剛三先生に憧れて、

道場に住み込みで稽古に明け暮れていた内弟子は、

この言葉を聞いてどう思ったのだろうか。

和合の道として、稽古スタイルが変わったことに違和感を感じ、

道場を去った者もいた。

 

塩田剛三先生はなぜ、

「実践で使われる必要はない」と述べたのだろうか。

 

私は、世の中が平和になったからという理由ではないと思う。

 

塩田剛三先生にあこがれて入って稽古する人は、

実践を目指す人が多かった。

 

肉体的に強くなることを第1に求め、

「和」を意識している人はあまりいない。

 

しかし、合気道の神髄は、

相手と和すことにある。

 

そこに気づいてもらうために、

「実践ではなく、和合の道」

という言葉を残したのだ。

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塩田剛三