塩田 将大 Aiki Peace Seeker -合気道家-

★塩田剛三の孫が伝える【心】を豊かにする合気道★

高齢者でも合気道が出来るの?実際に高齢者に教えてきた指導者が解説!!

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高齢者にも合気道が出来るの?


私が合気道を始めた時は、

確かに力の強い人の集まりで、

とても女性や高齢者が出来るものではありませんでした。

 

でも、今は女性や高齢者、

障がい者も合気道が出来ると思っています。

身体が麻痺している方でも、合気道は出来ます。

意思があるので、

障がい者の人がどのように動こうとしているのか、

皮膚で感じ取り、思っているように受けが取れれば、

合気道は上達します。

障がい者の方も受けもお互い思いやって、

合気道が出来れば楽しいですね(^^♪

 

ちなみに塩田合気道のトルコのイズミール、

ロシアのモスクワで教えている方も障がい者に合気道を教えています。

 

父も教えに行きました。

 

トルコの支部の合気道の演武です。

36秒から登場する男の子は、

重度な障がいを持っていますが、

合気道が大好きで、

毎日練習をしています。

 

残念ながら亡くなってしまいましたが、

合気道が生きがいだったようです。

 


AİKİDO ENGEL TANIMIYOR TAKIMI BULGARİSTAN GÖSTERİSİ

 

 

 

私は、ずっと、疑問でした。

「合気道って、女性も高齢者も出来るって聞いたけど、

実際は出来ないじゃん!」って思っていました。

 

でも合気道を学んでいくにつれ、

ようやく、だから合気道は誰でも出来るのかと

理解できるようになりました。

 

そう思って、障がい者や高齢者に教えたいなって思っていたら、

やはり実現するもんですね。

 

会員さんの紹介で、高齢者施設で教えることになりました。

「早く、おじいちゃん、おばあちゃんの手を触れて意思を感じたい」

 

教えたいというより、自分の合気道の腕をもっと磨きたいという

思いが強かったです。

 

実際施設に行っての感想は、

おじいちゃん、おばあちゃんも

合気道を知らない人が多いんだなってこと。

 

ご高齢者の方でさえ、

「合気道は戦うんでしょ?」

「合気道してるのに身体小さいんだね?」

「合気道と空手ってどっちが強いんだい?」

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福祉施設 指導風景

 

やっぱり、そう思われているんですね。

 

少しでも、合気道に対する考えが代わってくれたら良いなと

思い指導しました。

 

おじいちゃん・おばあちゃんたちは、

・有酸素運動

・体幹が鍛えられる

・技を覚えて認知症予防

という目的で来られていますが、

それでも良いのです。

 

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ご高齢者様合気道を終えての感想


私は、指導しているときに、

「相手の細胞を痛めるな!」という発言をします。

 

やはり塩田家が運営する道場なので、

海外からの合気道経験者や、

格闘技経験者が日本の観光と同時に、

合気道の体験に来ます。

 

すごい身体が大きいし、力も強いです。

そういう人たちに技を掛ける時も、

おじいちゃん、おばあちゃんに技を掛ける時も

することは一緒です。

 

相手の細胞を痛めないように、

優しく触れること。

 

先日、ロシア人から質問(通訳を介して)で、

「そんなリラックスした状態で技を掛けたら、

逃げられてしまうではないか」と。

 

受けてみないと分からないと思いますが、

合気道の技は、相手に反発心を起こさず制すこと。

それは、力で制するからではなく、

反発心を起こしても意味がないと思わせるほど、

優しい姿勢で制すからです。

 

この技で相手の肘あたりに触れているのは、

自分の二頭筋や、三頭筋あたりの腕です。

ここに力があったら、相手は反発心で起き上がろうとします。

しかし、腕には力がなく、優しい腕なんです。

 

起き上がろうとする力を無力化するのは、

思いやりなんです(^^♪

 

 

やはり、障害者や高齢者の方と合気道をすると、

このような優しさ・思いやりが必要となりますし、

合気道の上達に欠かせないことなので、

こういう機会を増やして、

もっともっと合気道が上達したいです。

 

 

合気道の技は3000種類以上!? 10人相手の多人数どりどうやって対処すればよいの⁉

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合気道は多人数どりがあり、

複数の相手に対処する稽古があります。

 


合気道の達人、植芝盛平、塩田剛三から言わせると、

多人数は1人を扱うのと同じらしいです。

 

また、合気道の技は3000以上ありますが、

そのすべてが150本程度の基本技の応用です。 

 

そして、その150本の技は、

全て「構え」と「基本動作」に集約するとのこと。

 

「構え」と「基本動作」と7つの「合気道の基本」を、

合わせれば合気道はできるというのです。

 

7つの「合気道の基本」については下記。

 

基本動作はある程度、出来るようになっても、

技を行うと、その基本動作が活かされないことが多い。

 

どんどん技を覚えていくことも重要だが、

その都度、しっかり基本動作ができたのか、

もしくは、この動きがどの基本動作と同じなのか、

考えていくと正確な動きが出来るかもしれません。

 

下記は塩田剛三の、

合気道の技の概念について述べた文章です。

 

 

 

 

 

合気道の技は、一言でいえば、

剣の理合を体に活かして行う体術と言ってよいでしょう。

 

剣の理合いを体に活かすのですが、

今の剣道とは構えも異なりますし、

剣道のように試合を行うためのルールも

ありませんし、事実試合形式はとりません。

従って現在のいわゆる剣道とは異なるわけです。

 

合気道は実戦を建て前にしていますから、

極端な言い方をすれば、

「技はあって、無きに等しい」

とも言えるのですが、

それでは稽古ができませんので、

実戦のあらゆる場合を想定して、

いろいろな技を組み立ててあります。

 

合気道の技は、

形稽古である。

 

塩田剛三の合気道は、

技を掛けるほうも受けるほうも、

極まった動きがある。

 

初心者の人はまずは、

頭で考えながら技を行います。

 

中級者は技を言われたら、

一瞬で技の一連を思い出すことがイメージでき、

技を行います。

 

上級者は技を言われたら、

何も考えずに動き、最後まで流れで技を行うことが出来ます。

 

中級者から上級者は、

長い道のりだと思います。

 

黒帯でも、ひたすら無になるまで

技を繰り返す練習をしていなくては中級どまりです。

 

塩田剛三の言っている、

「技はなきに等しい」とは、

技を考えずに行うことが出来る段階で、

正面を打たれたり、片手を持たれたりしたら、

すぐに技が出来る状態のことを言います。

 

 

 

技の概念

①一対多

そもそも合気道は一人で

多数を相手にする場合を想定しています。

それゆえ、敏捷な動き、体勢のとり方など、

それなりの心構えが必要ですが、

実は相手も人数が多いと、

仲間同士の衝突や、

剣を持っているときは味方を斬るなどの危険があり、

一人の相手だけでなく、

味方同士にも気をくばり、

注意が分散するものです。

こちらとしては、

そこに相手の隙を見るわけで、

複数がかかってくる場合でも、

おのずから寸秒のずれが生じがちです。

ずれがあれば、寸秒の間隔を置いて、

一人ずつを相手にするのと

同じ結果になるとも考えられるのです。

植芝先生の武道奥義の中に、

敵多数我をかこみて攻むるとも一人の敵と思いたたかえ・。

という歌があります。

それで、稽古はまず一対一で始めるのが原則となるわけです。

② 一対一

一対一の技には徒手対徒手、

徒手対武器、

武器対武器がありますが、

結局は徒手対徒手が基礎で、

他はそのバリエーションに過ぎません。

© 徒手対徒手

この場合、立ち技、坐り技、前技、

後ろ技などがあり、

それぞれに投げ技、

押え技、捕り技、きめ技等があります。

これらの技の中に、打ち手、

当て身、逆、蹴りが入ったりします。

但し、合気道ではほんとの逆はむしろ数少ないと

言えましょう。

 

 

この逆とは、逆間接に極めるということ。

一見、逆間接に極めるように見える技でも、

逆間接には決めていません。

 

合気道をしたことがある人は、

肘締め、肘当て呼吸投げなど、

逆間接で極めているではないか!?

と反論が起きそうですが、

違います。

 

例えば、肘締めで逆間接に

極めているように見えますが、

詳しく言うと違うのです。

 

肘を逆間接に極めようとすると、

相手の肘が痛いだけで、

反発心が生まれます。

 

反発心を生むような技は、

合気道ではありません。

 

相手の腕を優しく包み込み、

力を抜いて技を行うと、

相手の肘に技が効くとい訳ではなく、

相手の身体全体に響くような技を行います。

肘が当たっている仕手の手は、

柔らかく、反抗する気も起きません。

 

 

 

 

 

個々の技の種類は三千ほどになりましょうが、

その基本になるのはたかだか百五十手ほどで、

この基本技を反復練習すれば、

全般に通じることができるのです。

 

さらにこの基本技の基礎になるのは、

実は次に挙げる基本姿勢、

基本動作に収約されるのです。

最も大切なのはこれだと言っても過言ではありません。
 
④基本姿勢
いわゆる構えの姿勢です。半身に構えます。
その場合右半身と左半身があり、
互に同じ半身をとったときを相半身といい、
一方が右半身、相手が左半身のときを逆半身といいます。
 
すでにこの構えの時から、「合気道の基本」に述べた
素直な心と安定した重心が要求されることはもちろん、
次の基本動作に移る前提でもあるので、
合気道のすべてはここから発するだけに、
基本姿勢ー構えーが
最も重要であり、正しい構えがとられるかどうかが、
今後の技の上達を占う鍵となるのです。
⑤基本動作
これには、体の更1(引かれた場合)、
体の変更2(押された場合)、臂力の養成1(前進運動 )、
臂力の養成2(重心の移動、終末動作1(引かれた場合)、
終末動作2(押された場合)の
六法があります。
このいずれも、構えに次いで重要な技の基本ですから、
「合気道の基本」で述べた
素直な心、安定した重心、動中静を持す、
対すれば和す、タイミング、呼力と集中力、円運動が、
この基本動作の中に要求されるのです。
 
 
 
従ってこれらの動作をただお座なりにやって、
形だけで、済ませている限りは、
真の合気道とはほど遠く、
技の上達は望めません。
「合気道の基本」と「基本姿勢」と「基本動作」が
三位一体となったとき、合気道の真価が発揮されるのです。
合気道は仕手と受けが相対した時、
互いに手(短刀、剣、棒などを持っているときはそれら)が
届かない距離を保ち、また相手が蹴っても
届かない間合いを保ちます。
このことは、むしろ合気道は
すでに述べたように、一発必中で相手を制すことにあるので、
相手が自分に触れるか触れないうちに
相手を制する技ですから、最初の構えは、
その主旨から相手がどうしても届かない間合いをとるのです。
しかし、いろいろな技をするのに、
それでは稽古ができませんから、
基本動作のときから、
手や腕や胸などを持たせての技法を会得するように
反復練習するわけです。
そして、その間に合気道の基本を体得するようにするのです。
 
塩田剛三著「合気道人生」より 

 

 

合気道護身技について!こちらの記事は合気道の黒帯の方、先生の方だけお読みください!!

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以下は、合気道黒帯の人や、合気道の先生の方だけお読みください。

趣味で行っている人には必要がないですし、

今私が教えている合気道とは、異なっていますので。。。

 

 

 

 

合気道の護身技は、実際には使えない。

という意見をよく聞きます。

 

 

以前のブログで、護身技の話をしました。

護身術として合気道は使えるのか? - 塩田 将大 Aiki Peace Seeker -合気道家-

 

要約すると、

合気道は護身技に使える。

ただ、趣味で合気道をしている人は、

実際に襲われにくい雰囲気が身につくだけです。

※これは初心者向け

 

ちなみに、Youtube Channelを作りました。

下記チャンネル登録していただけると嬉しいです。

 


【護身技】後ろから刃物を突き付けられた時の対処法/ママさんが合気道の護身技を披露/塩田剛三の孫・塩田将大が解説

 

 

 

護身技で使えるようになるには、

相当な鍛錬が必要です。

※以下は上級者向けなので、

趣味で合気道をされている方は読む必要なありません。

 

それでは、どういう時に、

合気道が護身技として、実戦で使えるか。

 

次の2つが必要です。

・実際に刃物や凶器を持っている人に対して、焦らず落ち着くことが出来ること

(相手が自分よりも、焦っていること)

・当身

 

この練習をしなくてはいけない。

 

私は専修生という合気道訓練生で、

警視庁と一緒に、

実戦即応技ということで、

いろいろな攻撃パターンを想定し、

訓練してきました。

 

先生がやれ!と言われたら、

有無を言わず、押忍の精神で全力で行うことが、

身体にしみついています。

 

本気で相手を殴れと言われると、

さすがに日本人同士は忖度が生まれるのですが、

海外から来た専修生は、全力で殴りかかってきました(笑)

※ちなみに顔面はなし

 

道着が血だらけです。

 

実際に技を掛けようとしても、相手の腕力が強く、

四方投げも小手返しもできません。

 

逃げようとしても、限られた道場内ですぐにつかまっちゃいますし・・・

 

当時は、今までやった技は、

実際には使えないではないかと、

悲しくなりました。

 

しかし、何度も行っていると、

今まで行ってきた技が活かせる時がありました。

 

それは、当身をしっかり打てた時です。

 

当時行った当身は、

①相手の顔面に対する当身

②相手の脇バラに合ている当身

 

が効果的でした。

 

普段の稽古は合わせ稽古なので、

当身を重要視していませんが、

実戦では当身が7割と言われる通り、

当身を行わないと技が活かせません。

 

①は、実際に顔面に当てる必要はありません。

顔面に向かって、当身をすることで、

とっさに相手も自分を守るようになり、

今までパンチやキックしようとした、

意識が止まります。

 

そのタイミングは、腕力もなくなり、

四方投げや小手返しに持っていくことが出来ます。

 

②は、実際に相手の脇腹(あばら当たり)に当身を当てます。

そうすると相手は動けなくなるか、

それ以上攻撃できずにひるむか。

 

そこに隙が生まれて、今までの技が極まるようになるのです。

 

 

こんな感じですかね。

 

こういう練習は、専修生だけで十分だと思いますし、

稽古で行う必要はありません。

 

稽古で行ったところで、

合気道に必要な心の方が学べません。

 

 

専修生の時は、毎日厳しい訓練していますが、

それもたった1年だけ。

 

植芝盛平・塩田剛三の時代では、

その何百倍も厳しい訓練をしていました。

 

厳しい訓練たった1年では実戦には

とても対応できません。

 

何度も稽古を行い、実際に凶器に対して、

落ち着いた心が出来るまでは、

実戦では出来ないと心得ておくべきだと思います。

 

まだまだ、書けない部分がたくさんありますが、

実戦にならないように、

人徳を磨くことが1番大事です。

 

 

合気道と子ども‼なんで子どもに合気道は良いの?

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合気道と子ども




私の道場は子どもと親子が多いです。

 

人数が多くなったので、

子どもは

①幼児(未就学児)

②小学校低学年

③小学校高学年

でクラスが分かれています。

 

子どもを教えるとなると、

指導者は子ども好きでないと、

なかなか難しいと思います。

 

武道ならではの厳しさ、精神性を伝えるのは、

子どもに対する愛情がないと、

辛いことになってしまいます。

 

幸いなことに、私は無類の子ども好きです。

母親が子ども好きなので遺伝したのかな?

 

中学生を含め、みんな可愛いし、

毎日元気をもらっています。

 

今回は、私が子どもたちに

・合気道を通して、子どもたちに何を身に付けて欲しいか

・どういう稽古をしているか

お話ししたいと思います。

※大人の稽古とは異なります。

 

子どもに身に付けて欲しいことは

合気道を通じて、

①瞬発性を鍛えてほしい

②体幹を鍛えてほしい

③けがをしない身体を作ってほしい

④素直さをもってほしい

⑤礼儀・思いやりをもってほしい

⑥徳を増やしてほしい

⑦限界を自分で決めつけないでほしい 

ということですね。

 

①~③は、肉体的な部分

④~⑦は、精神的な部分になります。

 

4歳以下に対しては、左・右間違えようが、何も注意しません。

見てしっかり真似しますから、

間違っても褒めまくりますね。

 

子どもも大人も生徒の名前は、

必ず覚えています。

これは常識ですね。

合気道はコミュニケーション能力がつくというお話を

以前しましたが、

名前を覚えることは大前提中の大前提。

 

名前を覚えなくては、

コミュニケーションなんて出来るはずがない。

 

 

道場の生徒さんは東陽町の道場だけで、

100人以上いますが、全員の名前を憶えています。

たまに、覚えにくい名前の人が入ってきても、

稽古をする前に何度もその人の名前を書いて覚えるようにしています。

 

合気道を子どもにどのように教えているか、

お話ししたいと思います。

 

①瞬発性を鍛える

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子どもは同じメニューをしていると飽きてしまうので、

毎回違う内容で行っています。

 

私の道場は週5回子どものクラスがありますが、

月謝は一律で、週1回でも週5回でも値段は変わりません。

 

週5回稽古にくる子もいるので、

毎回メニューを変えます。

 

ブログを読んでいる方は指導者の方もいると思うので、

ぜひ、参考にしていただけたら嬉しいです。

 

・バーピージャンプ

・前後にジャンプ・左右にジャンプ

・受け身

・仰向けになって目をつむって、先生が手をたたいたら、瞬時に起き上がる

・スクワット走り込み

・もも上げ

・反復横跳び

などなど

 

ここでは詳しくどうやっているか述べませんが、

早く動くように出来るために、

瞬発性を鍛えるトレーニングを、

稽古の始めに行っています。

 

バーピージャンプはこのようなもの。

動画を見ていただくと、どれだけ大変か

お判りいただけるでしょうが、

子どもたちは、これを100回以上こなすこともあります。

 

子どもの体力は、大人が思っている以上に

あるんですよ(^^♪

 



 

②体幹を鍛えてほしい

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筋力トレーニングを行うこともありますが、

それよりも体幹トレーニングを重要視しています。

 

子どもは、いろいろなスポーツを

学校でも習い事でもしています。

合気道を1番に思ってくれれば理想ですが、

精神性より、戦いや競い合いの方が好きな子が多いですからね。

合気道はもちろん

どのスポーツ競技でも体幹は必要になってきます。

また、今のこどもたちは身体は昔の子より大きいですが、

身体が大きいのに、それを支える体幹はありません。

 

そこで、体幹を鍛えるために、

・手押し車

・ほふく前進

・プランク(いろいろなバージョン)

・逆立ちキープ

 

いろいとバリエーションを増やして行っています。

プランクはこのようなもの。

 

動画と同じくらい、

3分をこなしています。

 



 

③けがをしない身体を作ってほしい

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幼児・小学生は自分の身体を支える体幹も筋力もありませんし、

頭が重く、転がるとよく頭を打ってしまいます。

 

そこで、頭を打たないために、

また上手に転べるように、

受け身は大人以上に回数をこなします。

 

・後方受け身

・前方回転受け身

・後方回転受け身

 

※3歳から小学校低学年の子

 

受け身は、すればするほどよくなります。

身体の使い方が分かって、

腹筋や起き上がる際に足の筋肉を極力使わなくなり、

上手く遠心力を使って起き上がるようになります。

 

子どもたちはこれを100回以上こなしてます。

 

④素直さをもってほしい

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合気道で1番必要なこと・素直さ。

 

合気道は難しいので、

あまり出来た!と感じることは、

スポーツに比べて少ないと思います。

 

武道は達成感が得にくいんですよ。

ただ、子どもは達成感を感じないと、

なかなか続けられないので、

技の評価をして、

点数付けをすることがあります。

 

子どもは技の形を覚えただけで、

技が出来たと勘違いします。

 

「その技もう知っています」と。

 

技を知ってる!とか、

学校で習ったから知ってる!とか、

言っている子は、そこからの伸びが少ないんですよね!

 

あと、この先生はこう言ってた!とか言って、

別の先生が言うことを素直に受け入れない子。

 

こういう子たちには、

「自分は出来てると思ってけど、

本当は出来ていなかったんだ」と、

本人が気づくように導くことが、

指導者の務めだと思っています。

 

 

⑤礼儀・思いやりをもってほしい

 

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「合気道は礼儀や思いやりをもつこと」というのは、

日ごろから稽古中に口酸っぱくいっています。

もちろん、子どもたちは、

1回聞いても10回聞いても

あまり理解していないです。

 

私「からだの大きな人に、力強く持たれたら、

力で動かそうとしても動かないですよね?

それならどうしたら、相手を動かすことが出来ると思いますか?

それは、≪相手を敬い思いやることなんです≫」

 

って言われても、大人でも分からないですよね(笑)

でも、大人のクラスでは、

茶帯くらいになると、

今技が出来なかったのは、相手を敬っていなかったからだ

思いやらなかったからだ、

とみんな思えるようになっています。

自分主体になる合気道は合気道ではないですし、

相手がいるからこそ合気道は成り立つんです。

 

子どもたちも、もっと相手のことを考えなくては

と思って合気道に取り組めば、上手になるし、

生きていく上で、その思いやりが役に立っていくと思います。

 

1番最初に行う正座法・礼法に関しても、

思いやりを発揮することが出来ます。

いろいろな相手と向かい合い、

相手をしっかり見て、

正座をし、礼をする。

正座・礼は向かい合う相手と同じタイミングで

行わなくてはいけません。

 

そうすると、相手が誰であろうと

タイミングを合わせようとして、

相手のことを考える、

つまり思いやりが生まれるんですよね。

技も全て形だから、

仕手(技を掛けるほう)だけ出来ていてもダメで、

受けもできないといけない。

そのため、自分だけ出来ていても合気道はできないんです。

そうやって、自分よがりになりがちな子どもたちが、

相手を考える思いやりを

持てるようになると思っています。

 

礼に関しても同じ、

相手と向かいあった時には、

相手とタイミングを合わせて行います。

 

⑤徳を増やしてほしい

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以前のブログで合気道が上達するには、

徳を増やすこと。というお話をしました。

 

 

子どもで合気道の達人になる子はいません。

 

しかし、合気道を教えている以上、

合気道の上達に必要なことは、

すべて行い、少しでも達人に近づくよう、

切磋琢磨していくことが大事だと思います。

 

徳を増やすことは稽古でどういうことをするかというと、

礼をする、掃除を徹底させること。

 

礼をすることで、相手を敬う。

掃除をすることで、次使う人のためを思う。

 

誰かにとって、良いと思うことをすると、

徳が増えてきます。

 

相手にとって良いと思うことを、

道場だけでなく家でもしてほしいと思っています。

 

⑦限界を自分で決めつけないでほしい 

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あー疲れた。体だるい。とか、

稽古をする前から言っている子がよくいます。

 

そういう子は、稽古で大変なことを行うと

すぐにあきらめちゃいますよね。

 

ちなみに、さっき述べた

バーピージャンプとか、

後方受け身って、

子どもたちはどのくらいか書きましたよね。

 

大人ではできない数を、子どもたちはこなしています。

疲れたでしょ!もう、その辺で大丈夫だよ?

っていうのは大人の判断。

 

子どもは大人が思っている以上、

出来ます。

 

大分、厳しいことを行って、

疲れたーって、道場に寝っ転がっても、

5分後には何事もなかったかのように、

遊びまわっています(笑) 

 

もちろん、ついてこれない子もいますが、

それはそれで良いのです。

昨日の自分に比べて、今の自分が勝っているのなら、

回数をこなせなくても良い。

 

とりあえず、出来るだけこなし、

自分の限界を越える稽古を

20代までは行ってほしいと思っています。

 

子どもたちに、下記のような

私が経験した話を伝えると、

みんな納得してくれます。

 

’(専修生の時の話)

私が専修生という合気道の訓練生を行っていた時、

25名いました。

 

 

*1

 

 

1人10回ずつ声を出し、

後方受け身をするように

先生が言いました。

 

つまり、10回×25を行えというのです。

 

屈強な警視庁と、海外の元軍人を含む専修生でも

さすがに250回は厳しいです。

 

200回あたりでは、みんな息切れして、

倒れそうになりながらも、あと50回と思い、

必死にくらいついていました。

 

ようやく最後の専修生が10回を数え終わって、

受身が終わったと思いきや、

先生が2週目をさせたのです。

 

つまり、受け身合計500回。

 

250回で終わると思っていた専修生は、

250ちょっとで、ついていくことはできませんでした。

 

最初から、2週、3週するんだろうな!って

思っていた人は、見事2週500回をやり遂げたのです。

 

つまりどういうことかというと、

限界は自分が決めているということ。

 

腕立てを50回するとします。

100回すると思って、50回をするのと、

30回すると思って、50回するのでは、

同じ50回でも後者の50回の方が

きつくなるのです。

 

そのため、合気道の子供たちには、

回数を告げず、限界を超えるような

回数を課すことが多いです。

 

その稽古に慣れているような子は、

一切、文句を言わず淡々と回数をこなします。

あと、何回するのかな?とか考えていません。

考えたらついてこれないからです。

 

限界を決めず、必死について来れる子は、

どんどん伸びていきます。

 

先日の稽古でびっくりしたことがあります。

今日のメンバーを考えると、

このくらいの回数かなと、判断しているのですが、

普段毎回来ている子たちが、

その回数では物足りなかったらしく、

自分たちで休憩時間に続きをしだしたのです。

 

今日の回数、楽だったから、

あと50回やるのだとか。(笑)

 

感動しましたね(^^♪

 

また、生徒の親からこのような話も聞きました。

その子は運動神経が、あまりよくない子。

体育でも良い成績ではなかったようです。

 

しかし、ある時、反復横跳びを

学校で行い、学年で1位をとりました。

 

小学校では測定で30秒反復横跳びを行い、

何回できるかを図りますが、

道場では、60秒行う訓練を行っていました。

 

20秒当たりで、どの子どももスピードが落ちます。

そこで、指導者として、名前を呼んで必死に応援し、

出来る限り言われた時間60秒を全力で出来るようコーチングしました。

 

その結果が出たようです。

 

その子は反復横跳びに関して、自信が付いたようで、

別の運動も必死に取り組むようになったそうです。

 

 以上、私が合気道を指導する上で、

行っていることです。

 

ちなみに、瞬発性や体幹を鍛える訓練は、

指導者の私も行っています。

 

合気道の指導者は、学校の先生とは違うんです。

 

だって、自分でも分からないことを教えるわけですから。

そのため、大人の稽古はもちろん、

子どもの稽古でも生徒と一緒に成長できるように、

子どもの生命力に負けないように、

稽古を行っています。

 

 

 

*1:※専修生とは、

警視庁と海外や国内から合気道の指導者になりたい人が

 

行う合気道の訓練生のこと。

 

1年間、週5日、勤務時間ずっと厳しい合気道をし続けます。

塩田剛三が述べる7つの基本とは?【最終章】この7つが出来ればあなたも合気道の達人になれる?

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コマ

 

塩田剛三の合気道には、

基本動作が6つありますよね。

 

今回は、その基本動作の1つ、

体の変更(一)つまり回転について!

他の流派では転換と言いますね!

 

下記動画の動きです。

前の足のつま先を軸に回転し、

相手に技を極める最短の角度(95度くらい)回転します。

 

回転した後は、後ろに体重が行くことはなく、

常に前足にあると良いです。

 

体重が後ろにいっていないか、

確認する方法は、

回転した後に、

前足のつま先より前に膝が出ていると、

しっかり体重が前にかかっていると言えます。

 

ぜひ、確かめてみてくださいね(^^♪

 


【9級】体の変更(二) / 正面


【9級】体の変更(二) / 横

 

当たり前ですが、

回転運動は合気道の中で大部分を占めます。

 

これが出来ないと何もできません(笑)

 

回転している最中も、頭のてっぺんから、

尾てい骨までの軸が垂直に保てていると

技も決まってきます。

 

これが中心力です。

 

以下、塩田剛三が、

合気道の基本「回転」について述べた文章です。

 

 

合気道の動きは、直線的な運動はほとんどなく、

円運動です。

これは今まで述べてきたように、

力の衝突、力の揉み合いは一切しない。

 

相手の力が十分流れるように誘導しながら、

それが延び切って、

無力化した瞬間をとらえ、

技をほどこすのが、

合気道の基本ですから、相手の力を流し、

しかも自分の体が相手の近くにあって、

すぐ技がかけられるようにするには、

自分が円運動を描いて体を捌くのが、

最も無駄が少なく、効率的で、合理的であることは、

すぐお分かりになると思います。

 

回転は難しいんですよ。

回転している間に軸がぶれてしまいますから。

 

軸がぶれないと、

大きな力を相手に伝えることが出来ます。

 

 

自分が円の軌跡を描いて動くわけです。

コマが回る場合、コマは中央も周辺も回っています。

 

合気道でも、自分が円運動を描くとき

相手をもその運動に誘導します。

時には相手を中央に、

自分がその外周にあって円運動を行い、

時には自分が中央にあって、

相手を外周に置き、

円運動を行うことがあります。

この円運動は平面的ばかりでなく、

上下の方向にも行うこともあり、

また球面をすべるように

相手を導くこともあります。

 

回転と上下運動を混ぜて、

相手をうつぶせにするのが合気道の基本です。

 

螺旋を描くように相手を崩します。


【7級】正面打ち一か条抑え(二) Shomen Uchi Ikkajo Osae 2

 

 

 

いずれにしても、相手の力を流すには

円運動が最も効率的であるばかりでなく、

円運動は直線的な動きと異なり、

動きを止めることなく方

向を自由に変えることができ、

螺旋を描くこともできるので

可動の求心力、遠心力をも巧みに利用し、

相手の体勢を崩して技をかけ、

また円運動の永続性、

可変性を利用して、

無理なく連続技が行えるのも合気道の大きな利点です。

 

相手が攻撃してきたのを、

基本は、回転して流して、

そこからいろいろな技に変化していきます。

 

例えば、下の技は

回転して、肘締➡小手返しと

いくらでもバリエーションが出来ます。

 

 

 

 

以上簡単ながら、挙げた七つの基本は、

合気道の精髄、いわば極意に相当するものと言えましょう。

 

この七つの基本を完全に身につけ、

これらが瞬時にして、

無意識のうちに技に出れば、

もう相当の達人と言ってよいでしょう。

 

7つの基本の復習。

達人になるための秘訣は、

下記、7つが無意識で出来るように、

努力してくこと。

 

1、素直な心

2、動中に静を持す


3、対すれば相和す

www.shioda-aikido.tokyo

4、体の重心

www.shioda-aikido.tokyo

5、タイミング

www.shioda-aikido.tokyo

6、呼吸力と集中力

www.shioda-aikido.tokyo

 

それと、今述べている円運動になります。

 

しかし、合気道の道をきわめるには

一生研究と修行を積む覚悟と実践が必要です。

慢心したときは技は退歩するときです。

 

そう言う私自身もまだ修行中です。

真の合気道の指導者の数は

まだ微々たるものと言えるだけに、

若い方たちが、一人でも多く

この深遠にして汲めども尽きない

神秘的でしかも合理的な武道に志をたて、

真の合気道を連綿として世に伝え、

世界に広めることを

私は願ってやみません。

 

塩田剛三著「合気道人生」

 

合気道をしていると、

8年前に聞いたことが、

ようやく今になって、

理解できるようになったりします。

 

頭の中で理解しているうちは、

それは本当の意味で理解しているとは言えないのです。

 

しっかり、自分の身体で感じ取り、

技で実現できたら、

ようやく意味が分かってきます。

 

週6日指導をしていますが、

合気道は神秘的で不思議なことが多いので、

毎日のように発見があって面白いです(^^♪

 

それは、新しい初心者の方に指導をしている時に、

気付かされることも多いです。

 

いろいろと技のテクニックを伝えたりするけども、

そんなことは重要ではない。

相手に対して「何もしないこと」が正解だったりします。

 

合気道の答えはすでに皆さんが持っていて、

新しく外から探したり、作ったりするものではないと思います。

 

 

年齢を重ねるたびに強くなるものとは?合気道家が死ぬ前が一番強い理由とは?

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合気道は老若男女だれでも出来ます!!!


合気道はなぜ、老若男女だれでも出来るのでしょうか。

 

合気道の達人・植芝盛平と塩田剛三は、

合気道は誰でも出来る!と言っていますが、

私がその意味が分かってきたのも

5年くらい前のことです。

 

実際、私の習ってきた道場では、

女性は少なかったし、

ご高齢の方も少なかった。

 

60過ぎている方もいるが、

長年別の武道やスポーツをしてきていて、

もともと身体が強い人しかいませんでした。

 

力で制することが多く、

とても女性が出来るものではない

と感じていました。

 

そんな私も、合気道で痛めつけられないために、

筋力トレーニングで体を鍛えていました。

合気道の訓練生(専修生)の時は、

自主トレだけでも

腕立て、腹筋、背筋を毎日500回行っていました。

 

専修生についてはこちら!

 

なぜ、植芝盛平と塩田剛三が言っている

「誰でも合気道が出来る」ということを

考えてこれなかったのでしょうか。

 

私の場合、筋肉が付きずらい体質なのと、

背が低い(167cm)ので、

力で勝つということに、

早い段階であきらめることが出来ました。

 

だって、あんなに筋トレしていたのに、

当時のバイト先のフィットネスクラブの

体組成計測器で計ったら、

筋肉量が平均だったんです。

 

ショックでした。

 

だから、植芝盛平、塩田剛三が言っている

誰でも出来る合気道って何なんだろうと、

常に考えていました。

 

今、ようやくその意味が分かりました。

だから合気道は誰でも出来るのね!と。

 

私の道場は、今女性が多いです。

40・50代から始められる方も多く、

ゆっくり合気道が出来るコースも設けています。

60代の方もたくさんいらっしゃいます。

 

もちろん、本格的に合気道を身に付けたい方のために、

厳しいコースもありますが、

みなさん、合気道はなんで年をとっても、非力でも

できるのか理解しています。

 

力で合気道を制すものだと、

心では思っていなくても、

実際の技がそうなのであれば、

見直すべきです。

 

力で相手を制して楽しいですか?

そういう人は合気道をするべきではないと思います。

 

合気道は、

年を重ねるごとに衰えてしまう体力や力を

重要視するのではなく、

呼吸力、集中力を養っていくから、

誰でも出来るのです。

 

下記、塩田剛三が合気道の

年をとっても強くなる力

「呼吸力・集中力」について、

述べた文章です。

 

 

呼吸力と集中力

 

人間も動物も自然に呼吸をし、

外界から酸素を体内に取り入れ、

炭酸ガスを排出して

生命を維持していることは

言うまでもないのですが、

合気道では、この吸う息、

吐く息とともに止める息を含めた

三段階のリズムが力の集中に大きく関係し、

また動きに伴う疲労度にも影響を及ぼす

重要なポイントになっています。

 

「息を大きく吸うか、小さく吸うか、

また大きく吐くか、小さく吐くか、

その間に息を瞬間止めるか、

やや長く止めるか、

動作によって異なってきます。

ある一つの技をかける場合を

考えてみますと、

技をかける前に息を吸い、

技をかける時は息を止め、

かけ終って息を吐くというのが

典型的パターンでしょう。

 

息を吸いながら、あるいは息を吐きながら、

技をかける、つまり、力を一点に集中しようとすれば、

当然息を吸うあるいは吐く動作と力を一点に

集中する動作が併行的に行われるから、

集中力が弱くなってしまいます。

ですから、真に力を一点に集中しようとすれば、

息を止めて、それだけの動作にしぼるわけです。

しかし、息を止める時間が長いと、

その間体内の酸素の欠乏度が高まり、

それだけ多く酸素を補給せよと体が要求し、

すぐ肩で息をせざるをえなくなります。

これが疲労に通じるわけです。

 

合気道でいう集中力は、

力を一点に集中すること。

 

これが、非常に難しい。

一点に集中するには、

ぶれない軸を作らなくてはいけないし、

身体全体の無駄な力みをなくさないといけない。

 

下記の動画の1:15当たり、

足の親指だけに集中力を出すのは、

塩田剛三しかできないでしょう。

 

塩田剛三「指一本、足一本が全部あれになります。

これでギュッとこう押さえます。

こうやって、この足がですね・・・

これは、笑っているけど本当は集中力なんです」

 

足の指一本で相手を動けなくする集中力が、

凄まじいです(笑)

 

 


塩田剛三/合気道養神館

 

 

 

 

息を止める時間が短ければ短いほどいいので、

合気道の技は一瞬にして決める、

というのも、そこにあるわけです。

集中力が最高になるのも

一瞬で、だらだら長く最高の集中力を

維持することは不可能です。

音楽のリズムは音の強弱が

周期的に繰り返されて、

その律動が、聞く人にも、演奏する人にも

快感を与える要素となるのですが、

合気道の場合も理屈は同じで、

千変万化の動きの中で、吸う息、

止める息、吐く息の三つのリズムの要素が、

それぞれの技によって、またその動き方、

スピードによって、強弱、長短が入り交じり、

複雑なリズムを構成します。

しかし、技の一つ一つ、あるいは技の連続の中で

呼吸の律動が無駄なく配分されたとき、

つまり、自分の体がリズムに乗ったとき、

最も楽に体が動き、

最高の集中力が発揮され、技の効果も大きくなります。

ただし集中力の効果を大にするには、

先に述べた安定した体の重心も

深く関係することは申すまでもありません。

 

体の重心についてはこちら!

 

この呼吸力、集中力を習得することは、

口で言うほど容易ではありません。

絶えざる稽古と研究の中で、

自分の吸う息、吐く息、止める息の強弱、

長短と、すみやかな重心の移動とがバランスがとれ、

自分の体がリズムに乗るかを体得することです。

その時こそ、体が軽く、楽に動き、

しかも技の効果が大きく、

疲労度も少ないことがわかり、

合気道の素晴らしさを自覚し、

一層修行の楽しさが増すことでしょう。

 

塩田剛三著「合気道人生」

 

このように、呼吸の仕方と、

力を一点に集中する力は、

力で行うものではありません。

 

塩田剛三は、合気道を続ければ続けるほど、

集中力・呼吸力は身につくものであり、

年齢とともに衰えるものではありません。

 

そのため、植芝盛平も塩田剛三も

自分は死ぬ時が一番強い時だと

言っています。

 

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合気道家は死ぬ時が一番強い!!!

 

合気道の達人が日常的に行っていた稽古内容とは?

今回の合気道のテーマはタイミング!

 

まず、このYouTubeをご覧ください。

1:43秒くらいですね。


塩田剛三/合気道養神館

 

塩田剛三「これは丁度、ボンって合うから倒れるんですよね」

って言っていますね。

 

塩田剛三が述べる、

合気道の基本に、

【タイミング】があります。

 

相手が剣を振り下ろすとき、

振り下ろす前に動いていたら、

相手は分かってしまいますよね。

 

振り下ろす瞬間、相手の切り下ろす

道筋が見えてから動かないと、

相手の剣をよけれません。

 

また、それには相手がどのような動きを

するか、しっかり察知できる落ち着きと、

目付をしなくてはいけませんね。

これがなかなか難しいんですよ!

 

相手を、見つめていたらタイミングが合わない。

相手の動きをすべて把握するような、

相手のはるか先を見つめるような目で見ることが大事です。

 

詳しくは以前のブログに書いたので、

下記参照

※落ち着き、目付について

www.shioda-aikido.tokyo

 

下記は、塩田剛三が合気道のタイミングについて

述べた文章です。

 

(5)タイミング

 

このタイミングも基本の一つです。

前に挙げた四つの基本も、

技において、

タイミングが合わなければ死んでしまいます。

 

稽古ではタイミングがずれても、

繰り返し行いますが、

刀を持っていた時代は、

タイミングがずれたら殺されてしまいます。

 

今の時代の人より、

タイミングに関してはかなり

重要視していたのではないでしょうか。

 

 

 

「たとえば、大石が頭上から落ちてくるとき、

自分の頭に落ちる前に身をかわせば、

なんの被害も受けないわけです。

その理でいけば、

多数の相手がかかって来ても、

その間隙を見出して、

体をかわしてすり抜ければ、

相手に触れずして

身の安全が保たれるわけです。

 

相手が多数でかかってくる多人数どりはこんな感じ。


塩田剛三

 

タイミングのとり方も、

おくれれば相手に押し込まれてしまうし、

早すぎれば相手はこちらの動きを察知して、

それに対する手段をとってくるというように、

タイミングのとり方の

タイミングが大切になります。

 

打ってくる相手の力の流れに

自分の力の流れを合わせるタイミング、

相手が押してきたり、引っぱったりするとき、

それに逆わらずに、ここぞというときに技をかけるタイミング、

相手が飛びかかって来た時に、

それを外すタイミング、

また逆にそれを迎えるタイミング、

どれをとっても、

これが相手を制する上の大事な基本です。

 

このタイミングのとり方も

一朝一夕ではできません。

日頃の訓練の結果、

無意識的に行われたとき、

初めて強烈な効果を発揮するわけです。

意識してタイミングを

とろうとしている間は

うまくいかないことが多いのです。

 

塩田剛三が普段どういう稽古をしていたかっていうのは、

あまり知られていないですよね。

 

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金魚

 

知られている部分でいうと、

塩田剛三は金魚鉢をたたいて、金魚の動きを観察したという話。

これを、なんと8年間毎日続けていたとのことです。

 

金魚に合気道の秘密が隠されていると気づいたから

毎日続けていたのでしょう。

 

3匹の金魚を金魚鉢に入れて、

金魚鉢を突然たたいたとしても、

決して、金魚はお互いぶつからないし、

金魚鉢にぶつかることもありません。

 

この部分が塩田剛三先生の合気道に似てるんじゃないかな。

 

 

ある早朝、例によって私は自転車に乗り、

犬を綱で引っぱって散歩していました。

五時半頃でしたから、

人も車もほとんど見られないので、

相当スピードを出して走っていました。

狭い四つ角で、いきなり自動車が飛び出してきたのです。

その車も相当のスピードで通り抜けようとしたようです。

 

私の自転車の左のペダルが車の

どこかに触れてしまいました。は

っと思った瞬間、私は犬の綱を放し、

自転車を右側に蹴り飛ばし、

自分は相手の車のボンネットの上に飛び乗っていたのです。

これは全く無意識のうちにタイミングが合ったため、

命拾いしたわけで、

今でも思い出すたびに、

合気道をやっていたお陰だと思い、

私に合気道をすすめていくださった

元六中の阿部校長と父に感謝しています。

 

塩田剛三著「合気道人生」より

 

自転車と車はぶつかっているのに

そのタイミングでジャンプし、

ボンネットに乗ってるって、

すごい反射神経ですよね(笑)

 

これは祖母から聞いた話だが、

塩田剛三は毎日朝5時に起き、

(※その起きてくる前に、私の父・泰久は

 朝4時に起きて、カブトムシを捕まえに公園に出ていったらしい。)

石神井公園まで、犬3匹をつれ、

走るのが日課だった。

 

石神井公園の三宝寺池まで走って、

犬3匹を相手に稽古をしていたようです。

帰ってくると、犬の噛まれたあとが、

腕や足にあったようです。

 

人間では物足りず、

足の速い犬を相手に捌きやタイミングの練習を

していたのかもしれません。

 

そこで、塩田剛三は、

人間離れした瞬発性を身に着けたのでしょう。

 

普段の稽古ではなかなか身に付けるのが、

難しいので、日常で何か、【タイミング】、瞬発性を

身に付ける稽古をしないといけませんね(^^♪

 

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